説法・法話
[本文はここから]

日本人の価値観って?

最近、僕は日本人としての自覚というか認識というか、世間とのギャップを感じている。 

もちろん僕なんかが言うことじゃないのだと思うが、これから先のこの国のことを考えると心配になることがありのは確かである。


昨年の東日本大震災以降、少なくなっていた外国人観光客の姿が少しずつ増えてきた。 

外国人の観光客は日本人と違い、先祖供養や納骨はもちろん、身体健全といった御祈祷も行わない。
信心深いものがあってもそれを深く理解できないからだと思う。

それでも外国人観光客が戻ってきたのは、日本にしかない文化、情報、歴史、価値などを見聞したいという気持ちがあるからに違いない。
例えばお寺を拝観したり仏像を見たり、他の国では味わえないものを得ようと思っているからだと思う。


それなのに日本の国を挙げて日本の文化を残していこうという気概が感じられないことが多い。

先日中学生に必修授業の一つとしてダンスの時間が加わったというニュースを見た。
リズム感を養うことによって異国の方とのコミュニケーションを高められるようにする…といった説明がなされていたが、その前に教えないといけないものがあるんじゃないか?

例えば今の日本人に「能」を舞ってくれ、「歌舞伎」を説明してくれと言って出来る人はどれくらいいるだろうか?

さらに食文化の衰退も如実に表れていると思う。
先日、1人当たり10000円ほどする高級鉄板焼き屋さんに連れて行ってもらう機会があった。
お肉は神戸牛の最高級、ご飯も新潟産の最高級という紹介を受けた後に出てきたお漬物は人工添加物が多くかけられた市販のもの。

食などは特にどこに価値を置くかというのが大きく分かれてくると思う。
お隣の韓国では、キムチを漬ける時期を日本の桜前線のようにテレビで案内するらしい。 

日本の今の家庭でお漬物を漬けている人がどれくらいいるだろうか?


便利になっていくにつれ人は怠惰になっていく。
関西地方はこの夏、節電をしないと過ごせないという報道が出ているが、この便利な生活を捨てることは出来るのだろうか?


数年前から聞かれるようになった言葉だが、「断捨離(だんしゃり)」という言葉がある。 


断行(だんぎょう)
捨行(しゃぎょう)
離行(りぎょう)

というヨガに伝わってきた言葉の造語であるが、今まさに行うべき大事のひとつ。
日本の文化を再認識するとともにこれからの日本の行く末を考えるにおいて、最も大事なターニングポイントを迎えているのではないでしょうか?


人を癒す心、祖先を敬う心、人を尊う心を持ち合わせること。
日本画残すべき文化、情報、歴史、価値観を忘れないこと。


今こそ見つめなおす時期に来ています。

副住職

[ここからはカテゴリ内ナビゲーション]

サイトマップ
  • 高野山 金剛三昧院
  • 〒648-0211 和歌山県伊都郡高野山425番地/TEL:0736-56-3838/FAX:0736-56-2586
  • Copyright © Koyasan Kongosanmaiin. All Rights Reserved.